【書評】武田所長著「スモールビジネスの教科書」を読んでみた

書籍

世間はゴールデンウィークに突入しましたね。

人によっては、5月2日、6日も休みにして9連休だったりするんでしょうか?

私は、カレンダー通りなので9連休にはなっていませんが、GWの中日の出勤は基本的にやる事が無いので、普段やらないような軽い用事を片付けるだけなんで、あんまり苦はありません。

中華肺炎が世の中に蔓延する前は、どこかしらに出かけたりしていたんですが、今年もあまり積極的に外出する気になれないので、結構時間を持て余してます。

まぁ、暇を持て余すのは前々から予想がついていたので、連休前の最終出勤日の帰りに本屋によって、2冊ほど本を買って帰りました。

どちらの本もジャンルは同じで、副業関連の本です。

ぶら下がリーマンのワタクシは、副業で一攫千金とか独立起業なんかの妄想を、いつも悶々と考えてる夢見がちな中年なので、いつの頃からかこの手の本に興味を惹かれるようになっちゃったんですよね。

まだ一冊しか読んでいませんが、連続で2冊読むほど集中力が続かないので、読み終わった本のレビュー記事でも投稿してみようと思います。

という訳で、本題へ。

武田所長著「スモールビジネスの教科書」

この本の表紙だけを見ると、個人の独立を支援するような内容が書いてあるように見えますが、全く違いました。

スモールビジネスという単語から始まって、帯に書いてある「スモールビジネスで労働という名の無限の競争(ラットレース)から脱出し、自由な人生を楽しもう」との煽り文からも、個人で出来る範囲の商売のハウトゥー本だと思って購入したんですが、どう考えても個人レベルの話ではありませんでした。

正直、規模として200~400人ぐらいの従業員のいる中小企業向けの事業戦略を簡単に書いた本のように感じました。

ちょっと私の期待した内容ではないようで、若干残念。

本書におけるスモールビジネスの定義

本書の帯の裏に書いてある内容ですが、この本で定義するスモールビジネスとは、以下の要項を満たすビジネスのようです。

  • 年間安定して3000万円以上、自由に使える金を2年以内に創出出来る。
  • 事業価値の最大・最速成長よりも安定着実を重視し関係者に対して利益をもたらす。
  • 売り上げは100億円以下を目安とする。
  • 自由度を重視しオーナーの生き方を制約しないよう自己資本での運営を基本とする。

どう見ても個人レベルの話ではありません。

規模的に中~小規模で、且つ、ある程度リソースを持った中小企業の事業レベルの話ですね。

本書の著者の意図が読み取りにくい

本書の煽り文句に「ローリスクで月収300万円を実現するための最短のアプローチがここにある。」と書きながら、裏表紙では100億円以下と、本書の著者が、どういう層を狙って本書を執筆したのか、よく解りません。

序盤の内容ですが、自分の強味から参入するビジネス領域を探索する方法といった個人事業レベルの話をしていたかと思ったら、成功のために、先行している同業の分野で成功を収めている企業の業態や手法をマイナーチェンジしてコピーしろと書いてあり、そのレベルのコピーは個人では無理やろと思ってしまいました。

私の勝手な邪推では本書の著者は、この本を執筆する企画の段階では、購買層を起業や独立を考えている個人向けと定めていたけど、実際には、個人事業レベルのビジネスに対する経験や知見が乏しく、中小企業向けの方法論を解説するに至ったんじゃないかと思います。

というのも、著者の武田所長という人物の略歴がコンサル会社にいたため、中小規模の企業と個人事業の境界や、それぞれ扱う金額の規模感が理解できておらず、結果、誰がターゲットになるのか解らないズレた内容になってしまったんだと思います。

本書の言うスモールビジネスって、私の感覚だとニッチマーケットに参入するやり方のように見えるんですよね。

著者の武田所長氏が、何かしらのビジネスを1人でやって100億まで成長させた実績があるというのであれば説得力もありますが、ちょっと個人事業の実態とはかけ離れてる印象です。

ニッチマーケットとは

上述したニッチマーケットとは、穴場(または隙間)市場の事で、大手企業が手を出すには規模が小さいため敬遠されている市場の事です。

規模は小さいけどニーズは確実にある市場もたくさんあるため、中小企業の事業戦略としてよく探索され新規参入しています。

2020年には経済産業省が、グローバルニッチトップ企業100選を選出して公表しているぐらい中小企業では、常にアンテナ高く調査しているマーケットです。

本書の内容に関して

本書は、個人が何かしらの副業や独立の参考として読むにはハードルが高過ぎますが、零細企業の経営者や中小企業で新しい事業の企画を担っているような人には、一読してみても良い書籍だと思います。

若干、書籍の販売のため誇張気味に書いてる感じもありますが、割と的確な内容が多い良書だと思います。

特にベンチャー気質な新規性や競合との差別化を捨てて、着実に売りが立つように得意分野で参入する市場を選び、先行企業のコピー(マイナーチェンジはする)を推奨しているのが、潔くて嫌いじゃない。

実際に、零細企業や中小企業の成長戦略としては、突拍子の無い事に手を出すより現実的な内容の指南書なんじゃないでしょうか?

但し、この本は、少し現実のビジネスに落とし込むには、紹介している具体例や手法などの内容が浅いような気がするので、この本をきっかけに、より実現性の高い方法などを読者自身が熟考する必要があるように感じました。

まとめ

私の期待した内容ではありませんでしたが、内容自体は悪くない書籍でした。

もうちょっと表紙の煽り文句を内容に寄せた方が良いだろうとは思いますが、読んで時間の無駄だったとは思ってません。

まぁ、私は起業しようって野望はありませんが、将来的に会社務めを辞めて起業したいと思ってる若者は読んでみて損はないと思います。

私には少しハズレ感がありましたが、Amazonのランキングではかなり上位にあるみたいなんで、世の中では独立起業を夢見る人がたくさんいるって事なんですかね?

この本の内容だけを鵜呑みにして行動しても成功は難しいかもしれませんが、取っ掛かりとして読んでみるのは悪くないんじゃないでしょうか。

じゃ、そんな感じでノシ

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