9浪して早稲田大学に入った人の就職活動のネット記事に違和感が凄いって話

ネットニュース

たまにネットニュースの記事って“それ違うだろ”ってのがありますね。

今回はそんな話です。

一応前置きですが、私の感覚では、主張してる内容があまりにも共感できないどころか軽く異論を唱えたくなったよって内容なので、ここで書き綴ってる私の言い分が「オレが絶対正しいんだ!」と思っているわけではありません。

同じネットニュースを読んでも異なる感想を持った人も当然いるだろうと思っていますし、それら異なる感想に対立しようとしているわけでもありません。

あくまで私ハコフグの個人的な独り言ですので、こんな意見もあんのねって感じで軽く読んでもらえればと思います。

それでは、本題へ。

9浪 早稲田大生の言い分

私の意見を書く前に、簡単に事の発端となったネットニュースの内容に触れておきます。

本稿では、元記事に対してあまり好意的な内容ではないためリンクは張りません。

元記事が気になる方はGoogleで「9浪 早稲田 就職」で検索すると出てきますので、そちらからどうぞ。

私の見たネットニュースでは、ある9浪の大学生が就職活動が上手くいかず、自身の就職活動が上手くいかなかった理由について、トンチンカンな解説をした挙句、自身を採用しなかった企業に対して逆恨みのような屁理屈をコネています。

その内容に関して、おおよその概要を紹介します。

①新卒採用 30歳の壁

このネット記事の著者の言い分では、企業の新卒採用には30歳の壁があるそうです。WEBエントリーする際の青年月日が、2022年卒対象では1991年からの選択となっているのが根拠だそう。

30歳の壁ってのは初めて聞きましたが、まぁ、そういう年齢制限はあってもおかしくはないですね。

②大企業へのレール

有名な大学を出れば、有名な大企業への入社が自然とできるものだと思っていたそうです。

この著者は、自身の年齢が30歳を超えていてエントリーすらできなかった事で、そのレールに乗れなかった事を随分口惜しく思っているようです。

それは、いくらなんでも認識甘過ぎやろと。

世の中全体に年齢を足かせにされているように錯覚しているようで、そもそも大企業へ行けなかった理由が理解できていないように読み取れました。

③企業の採用が同じような人ばかり

新卒で採用した新入社員は、能力が近い似通った人間ばかりだそうです。

その似た能力の人間ばかり集めて社員が均質化するのは、会社に新しい考えを取り入れる事を阻害していると主張しています。

で、目まぐるしく変わる社会で、その変化に適応しながら真新しい考えを取り入れるには、著者のような多浪経験などの何度も挫折を経験した、たくましい人間が必要との事。

むちゃくちゃやな。

④新卒に31歳が混じっているメリット

即戦力の中途採用ではなく、新卒として31歳を他の22歳の新入社員と一緒に育成すると、既存の枠組みから外れて生きてきた人間のバイタリティを、22歳の若手に伝搬させることができるらしいです。

失笑。

著者の主張に異論を唱えてみる

この人の言い分を読んでいて、まず引っ掛かったのが30歳の壁の部分。

新卒採用に30歳で壁があり大企業へはエントリーすらさせてもらえなかったと書いています。就職説明会では「中途採用から申し込んでください」と断られたと書いてあり、著者は年齢だけが原因で大企業へ行けなかったと自分視点のみで書いています。

はたして30歳という年齢だけで弾かれたんでしょうか?

純粋な新卒ではない

この著者は職歴のない9浪ではなく、早稲田を卒業する前に、他の大学を卒業して就職しています。しかも転職して2社に勤めた経歴があります。

企業側から中途採用枠になりますと言われるのは、私には当然としか思えません。

高校を卒業してから就職することなく9浪して早稲田を卒業していたのであれば、企業からの反応は、もしかしたら違っていたかもしれませんが。

企業側からみた著者の印象

この著者は自分視点のみでしか物事を見ていないようなので、企業側の視点で考えてみたいと思います。

企業からは、この著者はすでに2社渡り歩いている社会人に見えていたと思います。

更に、その2社の離職理由が大学受験のためとあり、明らかに一時的に勤めていただけで、ただの踏み台程度で就職していたと解釈されたのではないかと思います。

私が企業の採用担当であれば、まず採りません。

その理由を、少し詳しく説明します。

私が企業の採用担当であれば不採用にする理由

採用しない理由 一つ目

前職2社の離職理由が大学受験のためとあり、この理由が良くない。

働く気あんの?って感じてしまいます。

更には、もし早稲田で学んだ事とまったく関係ない事業内容の会社にも関わらず受けに来ているのであれば、まったく論外です。

何か特別に学びたい分野があって、それを達成することが諦めきれずに努力し続けたというのであったとしても、企業側の仕事内容と一致しないのであれば、そこまでして大学行きなおした意味って何だったん?ってなるんですよね。

どうしても学びたい事があって、9浪までしてその道に進んだのなら、そのまま研究者になって大学に残るなりしろよって思います。

しかしながら、大学で学んだ内容と会社の事業内容が近かったとしても、やっぱり採りません。

その理由は、3つ目で詳細を説明します。

採用しない理由 二つ目

これも前職の離職が絡んできますが、すでに2社離職していることから、会社を辞める事に抵抗がなく、定着するかどうか懐疑的に見てしまいます。

企業が新卒社員に時間とコストを掛けて教育するのは、その後自社に長く利益をもたらして欲しいからで、2、3年務めたぐらいで、「やっぱり他に目標があるんで辞めます!」とか言われたら、人材育成にかけたコストが無駄になります。

決して、企業は人材育成の慈善事業をしているわけではありません。

ある程度スキルや経験のある中途採用者であっても職歴が多過ぎる場合、不利になるぐらいなので、何のスキルも経験もなくコロコロ仕事を辞めた挙句「新卒です!」と言い張ってやってくる職歴持ちには、興味すら湧きません。

採用しない理由 三つ目

これが一番大きな理由ですが、この著者でなければならない理由がありません。

著者は9浪という特殊な経験が企業に有益だと主張していますが、私は一切そう思いません。

9浪という響きはマイナスでしかないのです。

同じ早稲田大学に、高校の3年間の勉強で入学し22歳で卒業してくる人間と並べて比較したら、考えるまでもありません。

“早稲田大学に入学する”という成果に対して、片方は高校3年間の最低限の期間で達成したのに対して、もう一方は9年掛かっています。

私の感覚では、この2人の人物に同じ仕事をさせた場合、9浪した人物ではストレートに入学した人間に比べて3倍の時間が掛かるのではないかと思ってしまいます。

また、一人前になって仕事ができるようになるのにも、9浪した人では周りの同期入社した人間より遅くなるのではないかと危惧します。

どんなに立派な大学に入学しても、何年も浪人して入っていたのでは価値が下がってしまうと私が考えている理由はこれであり、私が企業の採用担当であれば採らないと言い切った最も大きな理由です。

企業は前述したように慈善事業をしているのではありません。

企業は、あくまで営利目的のために構成されている組織です。

その利益を得る事、増やす事を目的としている集団の原動力は人です。

こう考えれば、企業の新卒採用での本音は、なるべく失敗する可能性が少なく、人材育成などのコストもなるべく抑え、早く一人立ちしてくれる学生を欲しがっているのは簡単に想像がつきます。

仕事に関して何の実績もない、海のモノとも山のモノとも分からない学生を選ぶにあたって、企業が何をもって判断しているかというと、やはり学歴に他ならず、且つ、最終学歴だけを見ている訳ではなく、その最終学歴に至る経緯も含めて見ていると、私は思っています。

なので、新卒採用の選考では、企業は自社で活躍してくれる期待値の高い高学歴な学生や成績優秀な学生を選んでいるのです。

その観点から見ると、この著者の履歴書は一読で終わりです。なんの魅力も感じないので、その先へは繋がりません。

ちなみに余談ですが、私は学歴フィルター否定派ではありません。

というより、学歴フィルターは、正直どうしようも無いものなので否定できないし、今後、より一層顕著になるだろうとも思っています。

学歴フィルターに関しても思うところがあるので、いつか記事にするかもしれないし、しないかもしれません。

人材の均質化という不思議な言い分

30歳の壁の他に気になったのが、この似たような人間ばかりになるという著者の主張。

同年代の同程度の能力を持った若者を採用していると、社員が均質化するそうです。

社員が均質化した組織では、新しい考えを取り入れることができず、急速に動く時代の変化に対応できないと言っています。

ちょっと何言ってるのか、さっぱりわかりません。

この著者が、これまでどんな経験をしてきたのか、何を見てきたのかは、私にはわかりませんが、少なくとも私の経験では、新卒一括採用で採った人間が、似たような人間ばっかりになったなんてのは見たことがありません。

近い学歴で能力も似ているからといって、各個人の個性まで同じなんてことはなく、それぞれ異なるペースで仕事を身に着け、更に、得手不得手もまちまちになり多様な人材が育っていきます。

また、少数ですが一部に、非常に柔軟にあらゆる物事に適応できる優秀な人も存在し、そういった少数の優秀な人材が、会社の舵取りを行う事で社会の変化に順応して会社を成長させているのだと思っています。

実際に、日本には創業から100年を超える長寿の企業がたくさんあります。

それら100年を超える会社は、均質化した人間のみで構成されているのでしょうか?

また、この100年の間、世の中は何一つ変化することなく過ぎてきたのでしょうか?

たぶん違うと、私は思います。

長寿の企業は、時々刻々と変化する世の中に適宜順応して旧態依然な部分もあるかもしれませんが、それでも必要な変化を繰り返しながら成長を続けて来たのだと思います。

そして、その成長は、新卒一括採用で採用された社員たちが、それぞれ異なる能力を持った人材として成長し、活躍してきたことで成し遂げたのではないかと思っています。

世の中の変化が、つい最近だけの事のように捉えて持論を展開する、この著者の社員の均質化という謎の言い分には、まったく共感できないし、何をもってその主張をするのか理解できません。

まとめ

思いのほか感情移入してしまったような気がします。

正直なところ、このネットニュースの著者に嫌悪感とまでは言わないですが、少し嫌な気分になったのは事実です。

昔、ラップかヒップホップかなにかを30過ぎまでやっていて、鳴かず飛ばずだった人が医者を目指して大学受験するも不合格になったというニュースを見たときも、今回に近い不快感を覚えた記憶があります。

この医大受験した人も、年齢のせいで不合格にされたとかで大学側から不当な扱いを受けたとしていたのが非常に不愉快でした。

これも、そのうち記事にしてみようかな。

私の性分では、自分の都合だけで物事を一方的に断罪する論調の話ってあまり好きではないんですよね。

今回の9浪の人も“9年も浪人して早稲田に入学した自分は凄いんだ”と盲目的に思い込んでるフシがありありと見え、“そんな偉大な業績をあげた自分が世の中で優遇されないのはおかしい”と主張しているのが、なんか気に入らない。

“あなたのやってきた事は、特別なことでもなんでもないよ。だから世の中から賞賛されないのは当然だよ。”

“凄い事をやったつもりかもしれないけど、9年も掛ければ誰でも早稲田であっても入れるよ。”

“その気になれば誰でもできる事だけど、誰もやらないのはやる意味無いからだよ。”

と、ほぼ誰の目にも留まることはないかもしれないインターネットの片隅に、私の意見を投下してみようと思ったわけです。

また、企業の自身への対応に関して、ずいぶん納得いっていないようですが、採る側の立場で考えれば採用されないのは自然とわかりそうなものなのに、恨み節のように独自理論を主張しているのも読んでいて不快でした。

30過ぎるまで“学校”という場所から抜け出せずに固執し続けるから、こんな支離滅裂な考えに至るんだろうと思うし、就職活動中も企業の担当者との応対でも、恐らくこういう、おかしな考えで接した結果、敬遠されたのではないかとも勘ぐってしまいます。

この人物はYoutubeで動画を投稿したりしているようですが、おそらく私は見ません。

インフルエンサーを気取って、自身の9浪をネタにしているようですが、そのネタの賞味期限はもうとっくに過ぎているように見えますし。

せっかくベンチャーの会社に就職できたのだから、少しでも貢献できるよう考えと行動を改める時期なのではないかと老婆心ながら思ってしまいます。

30歳を過ぎての卒業であっても早稲田大学まで進学したのは、まぎれもない著者の努力なので、その努力は私は素直に凄いと思っています。

今後はその熱意を、新たな環境や次の目標に向けてみてはどうかなとも思います。

さてさて、結構長くなってしまったので、今回はここまでにします。

まぁ、かくいう私も、こんな偉そうな事言えるほど立派な経歴の社会人ってわけでは無いんですけどね。

じゃ、そんな感じでノシ

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